緋色のサファイア第21話

まえがき

太もも絵が描きたかったわけじゃないんですよ決して!

そう!決して!!

という事で、のんびりしすぎてる気もしますが頑張って書きましたw

楽しんでいってください( ◜ ཀ ◝)

 

前回のあらすじ

惑星コボルに襲来した適性巨大航空機撃墜のため、政府軍はデータ収集に勤しんでいた。通常の攻撃は一切効果がないものの、ハルカらミュータントの攻撃は有効であることを見出した政府軍司令部は、巨大航空機に無人偵察機で強行着陸し、内部から破壊する作戦を立案する。命がけの任務に向け、一行は準備を進めるのであった。

 

 

整備兵があわただしく動き回り、基地に機材の音と怒鳴り声が響き渡る。ハルカらは、これから搭乗する、というよりは搭載される無人偵察機を視察に駐機場にやってきた。

「やぁ、整備はもうできてるかな?」

「ハイ大佐殿!もちろんであります。しかしこのポッド、本来は荷物の輸送用ですが人が乗っても大丈夫でしょうか?」

整備兵が無人機の翼に吊り下げられた円筒状の容器に目を向けながらエリックに尋ねる。

「僕たちは荷物より頑丈だから大丈夫!作戦通り、左右のポッドに分かれて乗り込むよ! 1つのポッドに2人詰まって行ってもいいんだけど……」

「……ここでミサイル撃つよ?」

ハルカが頬をプクっと膨らませて抗議する。ハルカの赤っぽい頬とは対照的なディープブルーの空があたりを覆い、その下では何機もの白い無人偵察機が並び、整備を受けている。

「じょ、冗談だよ。さて、あと30分くらいは時間があるし、ハルカちゃんにはコレをプレゼントしよう。

エリックが出したものは、透明なプラスチックの細長い容器だった。

「コレでどうするの?」

「めぼしい物があればコレに入れて持って帰るんだ。大事なのは情報だからね」

あまり興味なさそうにハルカはスカートのポケットにチューブを詰め込む。これから敵地に無茶な任務に行くというのに、ハルカはいつも通りの身軽な服装である。

「ハ、ハルカさん、エネルギー使い切るかもしれないですし、武器とか持って行った方が……」

そのあまりの適当さに、同行しているミアはこれ以上ないくらい心配そうにハルカに話しかける。

「この前ゲットした拳銃持ってるから大丈夫!ほら!」

ハルカがスカートを捲ると、レッグホルスターに収まった古いリボルバーが鈍く輝く。以前ハルカがマフィアのアジトを一人で強襲した際に、マフィアのボスから奪ったものである。本来は警察に提出すべきものだが、ハルカが気に入って勝手に持って帰ったのだ。

「ほぉー!これは良い太も……いやパイソンだね!」

「撃って良い?」

 

ハルカがエリックを撃とうと銃に手をかける。エリックが慌てて身をそらす。

「でも、今どき6発しか撃てないリボルバーですか……。PDWとかにした方が……」

「ミア、ハルカがそんなの扱えると思うか?ろくに整備しなくても、とりあえず適当に引き金引いたら撃てるステンレスのリボルバーが最適解だと思うぞ。」

「確かに……。何だかんだで、38口径弾はずっと流通してますしね」

ミアたちの心配をよそに、ハルカはエリックとじゃれ合っている。とても作戦前とは思えない緊張感のなさである。

「ところで、巨大航空機に取り付くためのジェットパックは使い方マスターしたのか?さっきシミュレーターで遊んでたが……」

「そうですよ!ただでさえ操作が難しい機材ですし、シミュレーターと本物は違うんですよ?!実物を使ったことのないハルカさんには無理ですよ!」

2人の心配も尤もである。当然、無人機で近づいて二人を投下しても、無事に巨大航空機に辿り着かせるのは至難の業である。今の所、巨大航空機からの対空攻撃は見られないとはいえ、万が一対空兵装を搭載している場合、近づきすぎると無人機ごと撃墜される可能性すらあった。そこで、特殊作戦用のジェットエンジンと翼がセットになったジェットパックを背負い、ギリギリまで無人機で近づいた後で輸送ポッドから投下、ジェットパックで巨大航空機に取り付く算段である。

「あー、それなら大丈夫!ハルカちゃんのと僕のとでリンクしてるから、僕が二人分操縦するよ。あと天の声くん、解説ありがとう」

「そ、そうですか……」

司令部もよくこんな無茶苦茶な作戦を許可したものだと、ほとんどの兵士が感じていた。しかし、こんな針に糸を通すような作戦に賭けるしかないのも事実である。

「まぁまぁ、そんなに気を落とさないで。ハルカちゃんは運動能力高いし、シミュレーターで試してもうまくいったよ。さて、そろそろコレをハルカちゃんに……」

エリックがハルカにジェットパックを装備させようとしたが、ミアが慌てて押しのける。

「こういうのは女の子同士じゃないとダメですよ!さあハルカさん、こっち向いて……」

「んっ、ちょっとキツイかも……。でも仕方ないね……」

「ああっ、良いですよハルカさん!ベルトが食い込んで……ふふっ。なんでこんな時もミニスカなんですか?」

ミアが怪しい言葉を紡ぎながら、ハルカの身体にジェットパックを装備していく。

「だ、だってコレに慣れてるんだもん。破れても作るの簡単だし……」

「その服、自作だったのか……」

あまりの情報量の多さに、周りの兵士たちは引いてしまっている。こんなおもしろ集団に星の命運を賭けて大丈夫なのか、皆が不安になっているのは言うまでもない。

「ボクも、いつものカッコいいスーツで行くことにするよ。これじゃないとキマらないからね」

およそ着ている服とは不釣り合いなメカメカしいジェットパックを装備した二人は整備兵らの最終チェックを受ける。

「異常なし!それでは、ご武運を祈ります!」

「生きて帰って来いよ。ま、最悪途中でうまくいかなければパラシュートで降りれば良いからな」

「ハルカさん!帰ったら私が装備品脱がしますね!どうかご無事で」

アシュリーたちに見送られながら、自らの運び屋であり、下手をすれば棺桶になるかもしれない無人機へと二人は向かうのであった。

 

 

あとがき

ふぅ……。

満足しました(◠ ཀ ◠ )

どんどんミアさんがコッチ側になってるような気が……w

 

次回は1か月以内に上げられるように頑張ります!

お楽しみにですよ~|◠ ཀ ◠ )

 

 

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2024年11月30日