緋色のサファイア第16話

まえがき

どうも!7月中に出すと申し上げましたが、とても無理でしたw そして8~9月も無理でしたw さて、前回ボロボロになっちゃったハルカちゃん、どうにか生き延びたようですので今回はちょっと平和に過ごしてもらいましょう(^ཀ^)

 

 

 

前回のあらすじ

襲撃を受ける惑星アルムの政府軍基地近辺にて、ハルカは敵幹部のキョウカとの死闘を繰り広げていた。キョウカの攻撃で重傷を負ったハルカは自爆攻撃し、キョウカにも大ダメージを与えた。ハルカがキョウカを引き付ける間、政府軍守備隊は戦闘を有利に進め、キョウカも戦闘不能に陥ったことから遂に敵を押し戻すことに成功する。これまでにないほどの傷を負ったハルカは何とか一命をとりとめ、病院へと搬送されていた。

 

本文

惑星アルム防衛戦に勝利し、基地守備隊は後片付けに追われていた。重傷者も数人出ており、勝利こそしたものの基地は重い空気が流れていた。生き残った基地の兵士たちは後片付けに追われていた。ハルカらと援護に来た兵士はひとまずミアが取りまとめ、一番の上官であるアシュリーは基地司令部へ何やら会議をしに行った。数時間後、アシュリーが部隊の方へ戻ってきた。

「はぁーーー、やっと終わったよ。とりあえず片付けは設営隊に任せて、俺たちは当初の目的地、フェロナに移動することになった。ハルカは容体が安定してたから先に行ったらしい。出発は1時間後、それまでにシャワーでも浴びてこい。」

「ラジャー。ところで、いつおごってくれるんすか?」

アシュリーを危機一髪で助けた兵士がアシュリーを煽る。

「ああ、後で晩飯買ってやるさ。輸送機で食べよう。」

アシュリーらをここまで運んできた輸送機は、既に基地に着陸していた。一行は基地で体の汚れを落とし、大量の食べ物と一緒に輸送機に乗り込んだ。アシュリーの財布はすっかり軽くなっていた。

「お前ら…どれだけ食うんだよ…。」

「んほほへ、ひゃひふははんへひゅうひへめへひはんへふはへ?」

ミアがハンバーガーを頬張りながら、わけのわからない呪文を詠唱し始める。

「あー、なんで急に攻めてきたのかって?それは俺にもわからん。やたらあっさり撤退したような気もするが…。」

「隊長、よく今の翻訳できましたね…。」

アシュリーがミアの呪文を一瞬で解読し、兵士らを驚かせた。

「ま、あれこれ考えても仕方ない。とりあえずハルカと合流しよう。しばらく時間がかかるから、食べたら休んでおけ。」

食事をとりながら、一行は次の任務に備えてひとときの休息に体を預けた。

 

 

惑星アルセナ、反政府軍基地にて―

 

激しい戦いを終え、キョウカは基地に帰還していた。ダルクが傷ついたキョウカを出迎える。

「なかなのやられっぷりだな。お疲れさん。」

「今回はさすがに堪えたわ。ま、任務は達成したわよ。」

包帯だらけのキョウカがソファに座り込む。年季の入った机に置かれた、褐色の液体を一気に飲み干した。

「おいおい、今はケガ人なんだからやめとけよ。」

「あら、心配してくれるの?あのサンプルの方に恋してるのかと思ったわ。」

キョウカはグラスにもう一杯の酒を注ぎこみ、屈折した虹色の光を眺める。

「そう言うな。今行かないとお前の仕事が無駄になるからな。ゆっくり休んでてくれ。」

ダルクはキョウカを部屋に残し、実験棟へと急いだ。

 

 

再びアシュリー一行 ―

輸送機はいつの間にか、目的地の惑星フェロナに着いていた。一行は疲れから、固い床とベンチしかない輸送機内で泥のように眠っていた。しかし軍属の彼らは、輸送機が減速したのを察して皆、ミアを除いてハッと目を覚ます。朝のモーニングコールを鳴らすスピーカーに通電したサーっという音で目覚めるかのように。

「おい、起きろミア。」

アシュリーがミアを起こそうとするが、全く起きる気配がない。

「んー…。ハルカさんぐへへ…。」

「うわぁ…。どんな夢見てるんでしょう。キモ…。」

ミアの寝言に兵士らがドン引きする。

「あ!今キモって言いましたね?!上官侮辱罪ですよ?!」

ミアが部下の言葉に突然目を覚ます。悪口には敏感なのだろうか。そうこうしているうちに、輸送機は基地に着陸した。他の兵士らと別れ、アシュリートミアは士官室に荷物を置きに行く。

「この基地の近くの病院にハルカは今入院しているらしい。荷物置いたらお見舞いにでも行くか。」

「ですね!ちょっと寝て復活しましたし、早く行きましょう!」

輸送機で睡眠をとり元気になったミアと、疲れが抜けないアシュリーは荷物を基地の受付に押し付け、ハルカの入院する病院へと急いだ。

 

受付で手続きを済ませ、病室へと向かう。少し回復してきたと連絡を受けていたので、あまり心配はなかったが、やはり腹に大穴が開いたのは本人にとってもショックだったのではないかとアシュリーは不安になった。その隣では、ミアが早く会いたいとワクテカしているようであった。色々考えているうちに、ハルカの個室の前についていた。ドアをノックすると、ハルカの元気そうな声が聞こえてきた。

「入るぞー。」

ドアを開けると、ハルカがベッドでとんでもなくダラダラしていた。ポテトチップスを食べながら、動画を見ているのである。

 

 

「あ!アシュリーとミア!ごめん適当に返事した!」

「元気そうで何よりです!もうケガは良いんですか?」

「まだちょっと痛むけど、もう大丈夫だよー。」

「おいおい、ケガ人なんだからもっと体に良いもの食べろよな…。」

皆でいつも通りの、たわいもない話で盛り上がる。まだ戦闘から数十時間しか経っていないが、皆、何だか平和な日常を懐かしく思っていた。

「っていうかさー、なんだか前の戦いひどい言われようじゃない?私頑張ったんだけどなぁ…。」

そう言いながら、ハルカはタブレットでニュース記事をアシュリーらに見せた。そこには、今回の防衛戦の軍の対応を批判する記事が並んでいた。

「マスコミなんて閲覧数稼ぎのためなら平気で嘘をつく。あいつら人の足を引っ張るのが仕事だから気にするな。」

「そうですよ!ほとんどの市民は私たちの事慕ってくれてますもんね!」

「じゃぁいっか!それにしても、今回の戦いは何だったんだろうね?」

敵襲の奇妙さに、ハルカも気付いていた。数秒の沈黙が部屋を包み込む。

「それが分かんないんだよなぁ…。あ、言い忘れてたが政府の大統領が明日、オンラインでハルカと面談したいそうだぞ。」

アシュリーの発言に、ミアが凍り付く。

「ん-?よく分かんないけど良いよ?」

ハルカが適当に返事する。その隣で、ミアは首を横に振っている。

「マズイですって!だってハルカさん絶対適当にやり取りするじゃないですか!」

「大丈夫だと思うが…。大統領も適当だし、軍出身だし…。」

ミアはアシュリーの言葉に全く安心できなかった。

「こうしちゃいられません!ハルカさん講義の時間ですよ!」

しばらくはお菓子を食べてのんびりしようと思っていたハルカだが、ここに来てミアに徹夜で偉い人とのかかわり方を叩き込まれる羽目になるのであった。

 

 

あとがき

はい、やっと書きましたw いやー、平和な回は書きやすいにもかかわらず全く進みませんでしたねぇ、、、笑 実は作者は仕事をしているので忙しい時はなかなか書けないんですよw あと、他の事も企ててたり、、、ふへへ、、、w 次回は頑張って速く書くので、お楽しみに~(^ཀ^)

 

 

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2024年1月22日