緋色のサファイア第13話

まえがき

はい、前の更新からとっても時間があきましたw ポケ○ン発売されたからとかいう理由ではないですよ決して!!!!!

ということで今話もぶちかまして行きましょうw

 

 

本編

 

惑星アルセナ、司令官ダルクの執務室をノックする音が聞こえる。

「入って良いぞ、キョウカ。」

「逃がしちゃって良かったの?せっかく捕まえたのに。」

「ああ、逃げる過程をすべて監視することで奴らの能力を把握できる。」

ダルクが落ち着いた声で話す。

「でも、それだけじゃないんでしょう?」

「そうだ。最悪捕まっても脱出できるかもと、奴らの心の片隅に希望を植え付けられる。そうしたら必ず油断する時が来る。未来への投資のようなものだ。」

「さすが、いろいろ考えてるのね。あなたが敵じゃなくてよかったわ。」

ワインの残るグラスを静かに机に置き、キョウカが椅子から立ち上がる。

「それあげるわ。結構おいしかった。しばらくお別れね。」

フワっとボディソープの香りを残し、そよ風のように部屋を後にした。

 

 

コツコツと、硬い床に靴底が打ち付けられる音がした。少し型の崩れたスーツを着た男は、開放感に満ち溢れていた。

「あーあ!やっと終わったよ。ねぇキミ、この後ご飯でもどう?この大佐がご馳走してあげるよ!」

エリックは警察本部での尋問がようやく終わり、出口まで女性警察官に案内されていた。

「行きません。何日も尋問されて、よくそんな元気がありますね…。」

「そりゃぁ美人さんに連れられたら元気も出るさ。さぁーて、今日はこの惑星を観光して帰ろうかな。」

周りの警察職員に白い目で見られながら、出口まで連れられて行く。迎えの車が待機していた。

「んじゃ、僕はこの辺で。連絡先を渡しておくよ。」

そう言うと、エリックは自身の連絡先を書いた紙を案内の警察官に押し付け、車に乗り込んだ。

「よう、久々やな。」

「うわっ、ブレイズ?!む、迎えに来てくれたのかい?」

その車には、今にも怒りの炎を出しそうなブレイズが乗っていた。

「ああ、お前に聞きたいことがたっぷりあるからな。」

警察から解放されたばかりのアシュリーには、休む間もなく次の尋問タイムが用意されているのであった。

 

 

「ねぇ、これからどうするの?」

ハルカやアシュリーは、基地の食堂に集まっていた。

「聞かされてなかったのか?明日、この基地を出発だぞ?」

「え…。何も聞いてない…。」

「マジか?ここの基地は結構適当なんだな…。」

「ほんと、もっと早く言ってほしいよね。」

自然な流れでスルーしそうになったが、どこからかエリックの声が聞こえてきた。あたりを見回すと、エリックが天井の照明器具に貼りついていた。

「何してるんだ…?」

「久しぶりだね、アシュリー君。弟が世話になってるみたいで。」

そう言うと、エリックはスッと天井から降りてきた。

「やーっと解放されたからね。ハルカちゃんに挨拶しそびれたから会いに来たんだよ。」

「そ、それはどうも…。」

「ハッハッハ!本当は一緒に食事したいところだけど、さっさと荷物をまとめて別の基地に行けと言われてね。じゃまた会おう!」

高らかに笑いながら、エリックは食堂を後にした。

 

―別基地への移動の日―

ハルカ達は移動の準備をしていた。といっても、売店でもらったレジ袋1つ分程度しか持って行く物はなく、他のメンバーの準備を眺めているだけだったが。

「よしっ、この基地にも来たばかりで生活道具くらいしかないのであっという間です!」

ミアがいっぱいの荷物をケースに収め終わった。

「いや…数日しか経ってない割に多すぎるだろ…。」

女子は大変だと思いつつも、想像以上の荷物の多さにアシュリーはあきれてしまった。ハルカは逆に、心配になるほど荷物が少ない。普段どうやって生活しているのだろうか。そんな事を考えているうちに、輸送機への集合時間が近づいてきた。

「ほら、早く行くぞ。」

「はぁーい。オブシディアンの槍って輸送機にありましたっけ?」

いつになく、ミアがだらしなくなっている。片付けは苦手なようだ。

「たぶん…。まぁ今回はいらないんじゃないか?」

たわいもない話をしながら、3人は宿舎を出て輸送機へと向かっていく。

「ハルカさん荷物それだけですか?って言うか普段どうやって生活してるんですか?」

アシュリーが気になっていたことをミアが尋ねる。

「え?食べ物は食堂だし、服は洗濯機に入れておけば乾燥までやってくれるし、お風呂は備え付けの石鹸とかあるし…。他に何かあるかな?」

 

 

「ほら、普段着とか、化粧道具とか…ヘアアイロンなんかかさばりますし…。あと推しのグッズに…。」

アシュリーは傍らで聞きながら、予想以上にミアが人生エンジョイしていることに驚いていた。輸送機に既に乗っている兵士たちと合流し、輸送機は離陸した。

 

 

次の目的地への移動中、ほかの兵士らとの雑談に機内は沸いていた。そこへ急に外部から通信が入る。機内全体に通信内容が放送される。

「こちら惑星アルム守備隊!付近を飛行中の味方機がいれば援護たのむ!キョウカが来ててやべぇ!」

雑談に沸いていた機内は静まり返った。

「アシュリー!仕返しに行こう!」

「ハルカもなかなかの戦闘民族だな…。一般兵士じゃキョウカには太刀打ちできないし、ハルカをぶっこむしかないのは確かだ。機長、頼む。上には俺から説明しておく。」

輸送隊は行き先を変更し、惑星アルムへと向かう。護衛機も追従してくる。戦地へと向かう間に、アシュリーが何やらリュックのようなものと槍を持ってくる。

「あ、ハルカってスカイダイビングできたっけ…?ミアはできるって聞いたけど…。」

「えっ、私も飛ぶんですか?!だって階級少尉ですよ?!実質事務員ですよ?!」

ミアはどうやら自分も飛ぶものだとは思っていなかったらしい。

「当たり前だろう?今は戦力が欲しい。大丈夫通信係やってくれればいいから!戦闘兼衛生兵はハルカがやってくれるから余裕!」

「うう…分かりましたよ…。」

渋々、ミアが効果の準備を始める。ハルカが飛べるかどうかは、もはや誰も議論しなくなっていた。本人もあまり深く考えていないようだが。

「よーしハルカ、このパラシュートを背負って飛び降りるんだ。その時のポーズはこんな感じ…。俺が合図したらこの青いストラップを引っ張ってくれ。そしたら良い感じで行けるから。赤いのは予備パラシュートね。あと、この槍ついでに持っといて。」

ハルカに降下方法をレクチャーする。といっても、ハルカはよっぽどの事がない限り怪我はしないからか、ずいぶんと適当である。

「楽しそう!この槍は…?」

「オブシディアンの鎗だ。今回は相手にミュータントがいるから、コレと…あとはハルカの能力が頼りだ。」

同じ槍をミアも1本持っている。

「アシュリー少佐、実は伝説的な槍の名手なんですよ。かつてはダルクとも互角に戦えてたとか…。」

「マジで…?!すごすぎる…。」

「おいおい、互角は言いすぎだよ。押されっぱなしだったさ。ま、ハルカのは皆の予備として持っといてくれ。」

そうこうしている間に時間が過ぎ、輸送機は大気圏に突入しはじめていた。小刻みな振動とともに、惑星アルムへと侵入していく。敵戦闘機の迎撃はほとんどなかった。

「さすが新型のステルス輸送機、戦域が混乱してるのもありますけどスルっと侵入できますね!」

ミアが喜びながら外の様子が映し出されるモニターを眺めている。機体は減速しながら高度を下げていく。

「総員、降下準備!ハッチ開けるぞ!」

機長から機内放送が入る。

「よーし!降下準備!装備は良いな?無線聞こえてるか?」

「聞こえてる!わくわくするね!」

輸送機後部のハッチが開き、機内に風が吹き荒れる。

「良いか、青いストラップを引っ張るんだぞ。うまくいかなかったら赤い方だ。」

「任せといて!」

ハルカはすぐにパラシュートを開いた。飛び降りてからパラシュートを開くということをすっかり忘れていた。風に引っ張られたパラシュートがスルスルと伸びていく。

「飛び降りる前に開くバカが居るか?!」

「え、違うの?」

次の瞬間、ハルカはパラシュートに引っ張られてすっ飛んでいった。

「きゃぁぁぁぁ!」

「あーあ…。まぁ良いや。俺たちも行こう。」

アシュリーたちは他の兵士とともに次々と飛び降り、援護へと向かうのであった。

 

 

あとがき

吹っ飛びましたね~w まぁよくある事です笑 次回からはちゃんと月一で投稿できるように頑張ります!(棒読み) 読んでいただき、ありがとうございました!!

 

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2024年1月21日